インタビューの後、会場の空気がガラッと変わりました。
南海放送アナウンサー及びみかん一座座長・戒田節子さまご登壇。
戒田さまには、絵本の朗読をお願いいたしました。
前のスクリーンに映し出される絵本に視線を注ぎ、
いつの間にか食事をする手を止め、背筋を伸ばして座っていらっしゃいました。
朗読していただいた絵本は
「忘れても 好きだよ おばあちゃん!」
主な登場人物は、女の子とお母さんとおばあちゃん。
おばあちゃんは、アルツハイマー病を患っています。
お母さんは、その病気がどういうものか娘に話します。
相手が子どもだからと言って
「おばあちゃんはもう歳だから」と簡単に片づけず、
どういう症状が起きるか、どう接したらいいのか、ちゃんと説明をします。
女の子は、おばあちゃんの病気を理解した上でそばに寄り添います。
さすがプロ!だと思いました。
ちょっとしゃがれたおばあちゃんの声。
ゆっくり落ち着いて話すお母さんの声。
おばあちゃんのことが大好きな女の子の声。
元々分かりやすい言葉で書かれた絵本ですが、
三役を違和感なくこなす戒田さまの朗読のおかげで、
よりその内容が自然に頭に入ったような気がします。
もし家族がアルツハイマー病になったら、認知症になったら、
その時は、この絵本の事を、戒田さまの声を思い出せばいい。
病気から逃げるのではなく、ちゃんと向き合う。
家族みんなが正しい知識を持ち、理解を深めることで、
本人も周りの人達も穏やかに過ごせるのだから。
絵本が閉じられ、大きな拍手が起こりました。
隣の方同士「すごいね~」「さすがやね~」と言いながら顔を見合している光景が
会場のあちらこちらにありました。
ご自身の年齢をサラッと公表され、
え?
聞き間違いかと思いました。
さっきの女の子、何歳だっけ?
声だけではなく、表情もとても豊かな戒田さま。
こちらは、女の子モードかな?
なんてちょっと想像してしまいました。
戒田さま、本当にありがとうございました。